行政書士で出来る事・出来ない事

行政書士と司法書士は資格の名前も二字違いで、業務内容も一部に通っている部分があるため、よく混同されがちです。
しかし両者はまったく異なる資格です。
普段生活している分にはこの違いを正確に把握しておく必要はそんなにないかもしれません。
しかしいざ、トラブルが起こった際、何か手続きを依頼しようとした際、どこへ誰へ頼んだらいいのか、選ぶ基準として両者の業務の性質について知っておいた方が何かと便利かもしれません。
よく司法書士と行政書士とで業務が重なる事が多いのが、相続案件についてです。
行政書士でも司法書士でも相続手続きを代表業務・看板業務にしている方は多いと思います。
しかし相続と言っても実にたくさんの手続きが存在します。
例えば遺言書の作成や遺産分割協議書の作成、不動産の登記や現金換価、相続税の納付、実に多くの手続きがあります。
その中で行政書士が出来る事が遺言書や遺産分割協議書の作成になります。
一方司法書士資格だけでは遺言書や遺産分割協議書は作成できません。
ただし相続登記前提の遺産分割協議書であれば司法書士も作成出来ます。
一方行政書士は相続登記を行うことはできません。
それぞれの資格で出来る事・出来ない事があります。
しかし現実にはホームページや広告で、全ての手続きが受任可能かのような紛らわしい書き方も多いので、そのため一般の方には司法書士と行政書士との業務が一見同じように、混同されてしまう原因なのかもしれません。
近年、規制緩和が叫ばれていますが、各士業の独占業務についてはきちんとした境界を引くべきだという意見も存在するのです。