行政書士とは?司法書士とは?

行政書士という資格の名前は通信教育や教材の影響か、かなり知名度が高いものかと思います。
しかし実際行っている実務について、正確に把握している方というのは案外少ないのではないでしょうか?
書士、とつくくらいなので、何かを書く人、程度は連想出来るでしょう。
でも、あれ?司法書士も書士、とつきます。
司法書士との違いは?
これはよくある質問になります。
共に士業と呼ばれる専門家であり国家資格です。

司法書士も書類作成を行う専門家です。

しかし行政書士と異なり、より専門分野に特化した書類を作成します。
司法書士が作成出来る書類は、裁判所へ提出する書類や、不動産などの登記、法務局に関するものです。
これは司法書士の独占業務であり、行政書士が行うことはできません。
また一定の研修を受講し修了した上で試験に合格した司法書士は認定司法書士となり、簡裁代理権を持つことが出来ます。
これは簡易裁判所案件において、弁護士と同様に活動する事が出来る権利になります。
もちろん行政書士には裁判手続きにおいて代理権はありませんので、相続放棄や裁判の代理人になることはできません。

一方で、行政書士が作成出来る官公署へ提出する各種書類は作成出来ません。
ただし業務が一部重なる部分があるのも事実です。
例えば相続に関する手続きにおいて、遺言書の作成や相続人の調査や財産調査は司法書士も行政書士もどちらも行うことが可能です。
しかし相続登記は司法書士にしかできませんし、相続登記の必要がない遺産分割協議書は厳密には司法書士には作成出来ません。行政書士だけです。

このように一般の方には少々わかりにくいですが、各士業それぞれ業務の境界というものが存在するのです。
しかし近年、全体的に規制緩和の傾向があります。
今後各士業の権利が拡大あれ、業務が重なる部分というのはもっとたくさん出てくる可能性があるかもしれません。